写真を撮ったときになんだかザラザラしている…と感じたことはありませんか?その原因の多くはISO感度とノイズの関係にあります。この記事では、ISO感度の仕組みやノイズが発生する理由、撮影シーンに合った設定方法を初心者にもわかりやすく解説します。
また、ノイズを抑えてキレイに撮れる高感度カメラのおすすめ10選も紹介。これを読めば、暗い場所でも美しい写真が撮れるようになります!
iso感度とは?
カメラの設定の中でも「ISO感度」は、写真の明るさや仕上がりに大きく関係する重要な要素です。ここではISO感度の基本や、写真に与える影響、ほかの設定との関係性について、初心者でもわかるように解説します。
- そもそもiso感度ってなに?
- カメラの明るさに関係する理由
- iso感度を変えると写真はどうなる?
- シャッタースピード・絞りとの関係
そもそもiso感度ってなに?
ISO感度とは、カメラのセンサーが光をどれだけ敏感に受け取るかを表す数値のことです。ISO100やISO800などと表記され、数値が大きいほど光に対する感度が高くなり、暗い場所でも明るく撮影できます。
もともとはフィルムの感度を表す指標でしたが、デジタルカメラでもこの考え方が引き継がれています。明るさ調整において、シャッタースピードや絞りと並んで重要な要素の一つです。
カメラの明るさに関係する理由
ISO感度は、写真の明るさに直接関係します。数値を上げると、センサーがより少ない光でも画像を明るく記録できるようになり、逆に低いとたくさんの光が必要になります。
たとえば暗い室内や夜景などではISO感度を上げることで、ブレずに明るく撮れるメリットがあります。露出三要素のひとつで、シャッター速度や絞りと組み合わせて理想の明るさに調整するのが基本です。
iso感度を変えると写真はどうなる?
ISO感度を変えると、写真の明るさだけでなく画質にも大きな影響が出ます。感度を上げると暗い場所でも明るく写せますが、そのぶん画像に「ノイズ」と呼ばれるザラつきが発生しやすくなります。
逆に感度を下げると、ノイズは少なくなり画質は良好になりますが、光量が足りないと暗くなったり、シャッター速度が遅くなってブレの原因にもなります。そのため、シーンに応じた調整が必要です。
シャッタースピード・絞りとの関係
ISO感度は、シャッタースピードと絞り(F値)とともに「露出三要素」と呼ばれ、写真の明るさを決める重要な要素です。シャッタースピードが速ければ光の取り込み時間が短くなり、絞りが小さければ光の通り道も狭くなります。
その分ISO感度を上げて補う必要が出てきます。たとえば、動きの速い被写体をシャープに写したいときはシャッターを速くして、ISO感度を高めに設定するのが効果的です。
iso感度とノイズの関係
ISO感度を上げると暗い場所でも明るく撮れるようになりますが、その代償としてノイズと呼ばれるザラつきが写真に現れることがあります。ここでは、ISO感度とノイズの関係をやさしく解説しながら、ノイズを減らす方法や目立ちにくくする撮影のコツまで紹介します。
- iso感度を上げるとノイズが増える理由<
- 写真に現れるノイズとはどんなもの?
- 高iso時のノイズを減らす方法
- ノイズが目立ちにくい撮影のコツ
iso感度を上げるとノイズが増える理由
ISO感度を上げると、センサーが光に対してより敏感になりますが、同時に電気信号の増幅も行われるため、不要な信号(ノイズ)も一緒に強調されてしまいます。
このノイズは、画像の中にランダムな色や明るさのムラとして現れ、特に暗い部分で目立ちます。高感度は便利ですが、画質を下げる原因にもなるため、必要最低限にとどめるのがポイントです。
写真に現れるノイズとはどんなもの?
写真におけるノイズとは、本来ないはずのザラザラした粒や色ムラのことです。暗所で撮った画像や、高ISOで撮影した写真によく見られます。
ノイズには主に「輝度ノイズ」と「色ノイズ」の2種類があり、前者はモノクロの粒状感、後者は赤や緑、青などの点として表れます。これらが多くなると、写真のディテールや質感が失われ、全体が粗く見えるようになります。
高iso時のノイズを減らす方法
高ISOでのノイズを抑えるには、まずカメラの「ノイズリダクション機能」を活用するのが効果的です。また、露出不足で暗く写ってしまった画像を後から明るく補正すると、ノイズが強調されやすいため、撮影時にできるだけ適正露出に近づけるのも重要です。
さらに、ノイズ耐性の高いフルサイズセンサー搭載カメラを使うと、高ISOでもきれいな画質が得られます。
ノイズが目立ちにくい撮影のコツ
ノイズを目立たせない撮影のコツは、なるべくISO感度を上げずに済む工夫をすることです。たとえば、明るいレンズ(F値が小さい)を使って多くの光を取り入れたり、シャッタースピードをやや遅くして光量を確保することで、低ISOでも明るい写真が撮れます。
また、RAW形式で撮影すると、後処理でノイズを抑えながら自然な仕上がりにすることも可能です。
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iso感度を上げて撮影するメリット・デメリット
ISO感度を上げることで、暗い場所でも撮影が可能になったり、シャッター速度を上げて手ブレを防げるなどのメリットがあります。しかし同時に、ノイズの増加などのデメリットもあるため、場面に応じた適切な設定が重要です。
ここでは、ISO感度を高くすることで得られる利点と注意点をわかりやすく解説します。
- 暗い場所でも明るく撮れる利点
- ブレを防いでシャープに写せる
- 高isoはノイズが出やすくなる
- iso感度の上限設定はどう決める?
暗い場所でも明るく撮れる利点
ISO感度を高く設定することで、暗い場所でも明るく撮影できるようになります。たとえば夜景や室内など、光が少ないシーンでもフラッシュを使わずに自然な明るさを確保できるのが大きな利点です。
特に、子どもの発表会やライブイベントなど、ストロボが使えない場面では高ISOが活躍します。光量が少なくても撮影できる自由度が広がるのは、初心者にも嬉しいポイントです。
ブレを防いでシャープに写せる
ISO感度を上げると、より速いシャッタースピードを使えるようになるため、手ブレや被写体ブレを防ぎやすくなります。動きのある被写体や、手持ち撮影でもシャープな写真を残したいときには、高ISO設定が効果的です。
特に運動会やペットの撮影など、素早く動くシーンでは、高感度を活用することでクリアな写真が得られやすくなります。
高isoはノイズが出やすくなる
ISO感度を上げると明るさは確保できますが、その反面「ノイズ」が目立ちやすくなります。ノイズとは、画面上に現れるザラつきや色ムラのことで、特に暗い部分や空などのグラデーションで顕著に現れます。
写真の質感や解像感が損なわれる原因となるため、ISOを上げすぎると画質が低下する恐れがあります。高感度時はノイズとのバランスが重要です。
iso感度の上限設定はどう決める?
ISO感度の上限設定は、カメラの性能や撮影シーンによって変わります。基本的には、自分のカメラで「許容できるノイズ量」を確認し、それを超えない範囲で設定するのがポイントです。
たとえば、ISO3200までは問題ないが、それ以上はノイズが気になるという場合は、上限をISO3200に設定しておくと安心です。実際に試し撮りをしながら、自分の基準を見つけるのがおすすめです。
撮影シーン別iso感度のおすすめ設定
ISO感度は、シーンによって適切な数値が異なります。昼間の屋外と夜の室内では必要な光量が大きく異なるため、ISO設定をうまく使い分けることで、よりキレイな写真が撮影できます。ここでは、代表的な4つのシーンごとに、最適なISO感度の目安とポイントを解説します。
- 室内や夜の撮影はiso感度を高めに
- 屋外の昼間は低isoでクリアに
- 動く被写体は高isoでブレを防ぐ
- 三脚を使うなら低isoがおすすめ
室内や夜の撮影はiso感度を高めに
室内や夜など光が少ないシーンでは、ISO感度を高めに設定するのが基本です。ISO1600〜6400程度を目安にすることで、シャッタースピードを遅くせずに明るく撮影できます。特に手持ち撮影ではブレを防ぐためにも高ISOが有効です。
ただし、ノイズが目立ちやすくなるため、カメラのノイズリダクション機能を併用するか、RAW撮影後に補正するのがおすすめです。
屋外の昼間は低isoでクリアに
日中の屋外では、光が十分にあるため、ISO感度はできるだけ低く設定しましょう。ISO100〜400程度が基本で、低ISOはノイズが少なく、色再現性やディテールも高くなります。
空や景色をくっきり撮影したいときや、ポートレートで肌の質感をきれいに出したい場合は、低ISOにすることで高画質な仕上がりが得られます。三脚が不要な点も撮影を手軽にしてくれます。
動く被写体は高isoでブレを防ぐ
スポーツや動物、子どもの遊ぶ姿など、動きのある被写体を撮るときは、シャッタースピードを速く設定する必要があります。その分ISO感度も高めに設定しないと暗くなってしまうため、ISO800〜3200程度を目安にしましょう。
多少のノイズよりも、ブレのないシャープな写真を優先したい場面では、ISO感度を積極的に上げるのが効果的です。
三脚を使うなら低isoがおすすめ
風景や夜景、星空などを三脚で撮影する場合は、シャッター速度を自由に長くできるため、ISO感度は低く設定するのがおすすめです。ISO100〜400程度にすれば、ノイズを最小限に抑えて高画質な写真を撮ることができます。
被写体が動かない状況であれば、低ISOでじっくり撮影することで、ノイズのない美しい仕上がりを実現できます。
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高感度カメラ人気おすすめ10選
ここでは、高感度カメラ人気おすすめ10選を紹介します。
富士フイルム(FUJIFILM) ミラーレス一眼カメラ X-T4
X-T4は有効約2,610万画素のAPS-Cセンサーを搭載し、高感度でもノイズが少ないクリアな描写が魅力です。ボディ内手ブレ補正を搭載し、暗所でも安定した撮影が可能。フィルムシミュレーションも豊富で、表現の幅が広がります。連写性能や動画撮影機能も高く、静止画・動画どちらにも対応できる万能モデルです。
Nikon ミラーレス一眼 Z6III
Z6IIIはフルサイズ裏面照射型センサーを搭載し、高ISOでもノイズを抑えたなめらかな画質を実現。暗所性能が非常に高く、低照度でも色の再現性が高いのが特長です。連写速度やAF性能も向上しており、動きのある被写体にも強い設計。動画性能も優れており、4K60p記録にも対応しています。
SONY(ソニー) フルサイズ ミラーレス一眼カメラ α7SIII
α7SIIIは有効約1,210万画素ながら、非常に高い感度性能を誇り、ISO拡張で最大409600まで対応。暗所撮影に圧倒的な強さを持ち、低ノイズでディテール豊かな映像が得られます。4K120p動画や高精度なAF性能など、動画撮影にも最適で、映像クリエイターにも人気の高いモデルです。
キヤノン EOSR6MK2 ミラーレスカメラ
EOS R6 Mark IIは、有効約2,420万画素のCMOSセンサーと最新の映像エンジンDIGIC Xを搭載し、高ISOでもノイズを抑えた美しい描写が可能です。最大40コマ/秒の高速連写や高精度AFを備え、動体撮影にも対応。4K60p動画にも対応し、スチルと動画の両方をこなせるオールラウンダーです。
キヤノン ミラーレスカメラ ボディー EOSR8
EOS R8は軽量ボディにフルサイズセンサーを搭載したエントリーモデルながら、高感度性能に優れ、暗所でも鮮明な撮影が可能です。DIGIC Xプロセッサーにより、ISO感度を高くしてもノイズを効果的に抑えられます。初心者でも扱いやすく、高画質な写真を気軽に楽しめるモデルです。
Nikon ミラーレスカメラ 一眼 Z6II
Z6IIは有効約2,450万画素のフルサイズセンサーを搭載し、高感度でも自然でなめらかな画質を実現。常用ISO51200まで対応しており、暗所でもノイズを抑えた撮影が可能です。デュアルEXPEED 6プロセッサーによる高速処理で、動きのある被写体にも強く、静止画・動画両方でバランスの良い性能を誇ります。
パナソニック(Panasonic) フルサイズ ミラーレス一眼カメラ ルミックス DC-S5-K
DC-S5は軽量ボディながらフルサイズセンサーを搭載し、高感度性能に優れています。暗所撮影時でもノイズが少なく、明るくクリアな画質を実現。V-Logや14+ストップのダイナミックレンジに対応し、動画撮影にも強い仕様。高感度撮影を求める写真・映像両方のユーザーに適した1台です。
Nikon ミラーレス一眼 Z5II
Z5IIはZシリーズの中でもコストパフォーマンスに優れたフルサイズモデルで、常用ISO100〜51200に対応。夜景や室内など暗い環境でもノイズを抑えて撮影でき、初心者でも扱いやすい設計です。ダブルスロットや堅牢なボディなど、実用性の高い仕様を備えた高感度入門にぴったりな1台です。
Canon ミラーレス一眼カメラ EOS R5
EOS R5は約4,500万画素の高解像度センサーを搭載しながらも、高ISO時でもノイズを抑えた高画質が魅力です。常用ISO51200に対応し、暗所でもシャープな描写を実現。8K動画や高度なAF性能など、ハイエンドユーザー向けの機能も豊富で、プロのニーズにも応えるフラッグシップモデルです。
パナソニック(Panasonic) フルサイズミラーレス一眼カメラ DC-S5M2
DC-S5M2は最新の画像処理エンジンを搭載し、高ISOでもノイズが目立ちにくく、自然なトーンで仕上げられます。アクティブI.S.や進化したAF性能を備え、暗所撮影や動画撮影にも強い一台。写真・動画の両面で高感度性能を発揮する、バランスの取れたミラーレスカメラです。
まとめ
ISO感度は、写真の明るさを調整するうえで欠かせない設定のひとつですが、設定値によってノイズが発生することもあります。シーンごとに適切なISO感度を選ぶことで、暗い場所でもブレを抑えて美しい写真を撮影できます。
ノイズの特徴や対処法を知ることで、より理想的な一枚に近づけるはずです。今回紹介した高感度に強いカメラも参考にしながら、自分に合った撮影スタイルを見つけてみましょう。