アコースティックと同じ88鍵を備えた電子ピアノなら、表現力も上達スピードも段違いです。夜はヘッドホンで静かに、昼は迫力スピーカーで練習可能。
本記事では初心者でも迷わない選び方と、タッチがリアルなおすすめ10機種をわかりやすく紹介します。さらに音源方式や練習サポート機能のチェックポイントも丁寧に解説するので、自宅練習からステージ演奏まで長く使える一台がきっと見つかります。
88鍵盤電子ピアノのメリット
88鍵盤電子ピアノは、アコースティックピアノと同じ鍵盤数を備えつつ、音量調整やヘッドホン練習ができるスマートさで幅広い層に支持されています。さらに省スペースでメンテナンスも簡単なため、自宅用の本格楽器として注目度が上昇中です。
ここでは、88鍵モデルを選ぶことで得られる代表的な4つのメリットをわかりやすく解説します。それでは順番に見ていきましょう。
- 本物のピアノに近い鍵盤数
- 演奏表現の幅が広がる
- 将来の本格演奏にも対応
- 初心者にも安心の練習環境
本物のピアノに近い鍵盤数
アコースティックピアノと同じ88鍵を備えているため、クラシックからポップスまで市販楽譜をそのまま演奏できます。鍵盤数が足りず音を省略・移調するストレスがなく、右手左手のポジション移動も自然。低音から高音まで音色が途切れないので和音の厚みやダイナミックレンジを存分に活かせます。
ピアノ教室の課題曲や音大入試曲にも対応でき、幅広い練習メニューを段階的に組めるため基礎から上級テクニックまで無理なく学べるのが魅力です。
演奏表現の幅が広がる
88鍵モデルは鍵盤数だけでなくタッチセンスやペダル機能も充実。弱いppから力強いffまで細かな強弱を付けやすく、レガートやスタッカートのニュアンスも豊かに表現できます。
高音域のベルのようなきらめきと低音域の重厚なベースを同時に鳴らすなど左右手の役割を活かした本格アレンジにも対応。ジャズのウォーキングベース、ポップスのリズムコンピング、クラシックのアルペジオなどジャンルを問わず自在に演奏の幅を広げられます。
将来の本格演奏にも対応
将来アップライトやグランドピアノへステップアップしたい場合でも、日頃から88鍵で適切な指の広げ方やペダルワークを身に付けておけば移行がスムーズ。多段階ハンマーアクションや象牙調鍵盤を採用した機種なら指先に伝わる重みや戻りの速さも本物に近く、発表会やコンクールの練習にも最適です。
夜間練習や録音再生で客観的に演奏をチェックできるのも電子ならでは。長期的な音楽学習の土台として安心感が高い点が大きなメリットです。
初心者にも安心の練習環境
音量調節とヘッドホン接続ができるため、夜間でも近隣や家族に気兼ねなく練習可能です。メトロノームやレッスン機能、伴奏リズムを内蔵した機種も多く、先生不在でもテンポキープや両手合わせを効率的に練習できます。
鍵盤の重さを段階的に変更できるモデルを選べば、最初は軽め設定で基礎を固め、慣れてきたら実ピアノに近づけてステップアップ学習も容易。失敗を恐れず何度でも挑戦できる環境が、初心者の継続・上達をしっかり支えてくれます。
また、下記では失敗しない電子ピアノの選び方について詳しく解説してます。気になる方はぜひ参考にしてみてください。 電子ピアノ選びに迷っている方へ、2025年最新版の失敗しない選び方とおすすめモデルをご紹介します。電子ピアノはアコースティックピアノに近い弾き心地と音量調整が可能なため、自宅での演奏に最適な選択肢です ... 続きを見る
【2025年版】失敗しない電子ピアノの選び方とおすすめモデル10選!
88鍵盤電子ピアノの選び方
88鍵盤電子ピアノを選ぶときは今の自分に合うかだけでなく上達後も長く使えるかを見極めることが大切です。鍵盤の重さや音源方式、スピーカーの質はもちろん、レッスン機能やアプリ連携の有無など周辺機能も総合的に比較しましょう。
ここからは 4 つの観点で失敗しないチェックポイントを解説します。
- 初心者向けのモデルを選ぶ
- 安いモデルと高性能の違い
- ピアノタッチの再現度を見る
- 買ってはいけない特徴とは
初心者向けのモデルを選ぶ
初めて鍵盤楽器に触れる人は、ハンマーアクションが軽めで弾きやすいモデルを選ぶとフォームづくりがスムーズです。内蔵レッスン曲や鍵盤ライトガイド、録音再生機能など「練習をサポートする仕組み」があるかも重要。
さらに、ペダルやスタンドがセットになっているスターターパッケージなら追加出費を抑えられ、届いた日からすぐに本格的な練習が始められます。後から拡張したい場合は、MIDIやUSB端子を備えた機種を選ぶと音楽制作アプリとも連携しやすく、ステップアップ時の幅が広がります。
安いモデルと高性能の違い
手頃な価格帯の機種は必要最低限の音色・スピーカー出力に限定される一方、上位機種はグランドピアノ同等の「3センサー方式」や多層サンプリング音源を搭載し、弱打から強打までの繊細な表現が可能です。
また、高性能モデルほどスピーカーの口径が大きく、低音の厚みと高音の伸びが段違い。自宅練習が中心なら入門機でも十分楽しめますが、発表会用のレコーディングやオンライン配信を視野に入れるなら、表現力と接続端子の豊富さを備えた中〜上位モデルを選んだほうが後悔しません。
ピアノタッチの再現度を見る
鍵盤の仕組みには「セミウェイト」「グレーデッドハンマー」「木製ハイブリッド」などがあり、後者ほどアコースティックピアノに近い重みと戻りの速さを実現します。特に低音が重く高音が軽い段階式ハンマーや象牙調素材は、指に密着して繊細なダイナミクスを付けやすいのがメリット。
購入前に販売店で実際に弾いてみる、もしくは公式サイトで鍵盤構造の断面図を確認することで再現度の高低が判断できます。タッチは一度妥協すると後で買い替えたくなる要素なので、優先順位を高く設定しましょう。
買ってはいけない特徴とは
スピーカー出力が極端に小さい機種は、本体だけで弾いたとき音がこもりやすく練習モチベーションを下げがちです。また、ペダルが簡易式(オン・オフのみ)だとハーフペダル奏法ができず、表現力を磨けません。アフターサポートや部品供給の情報が不足している海外ノーブランド品は、故障時に修理できず結果的に高くつくことも。
鍵盤が軽過ぎるセミウェイトのみのモデルは、上達後に実ピアノへ移行した際タッチ差が大きく苦労します。これらの条件に当てはまる製品は避け、長期的に学習を支えてくれる仕様か必ず確認しましょう。
また、下記では中古の電子ピアノについて詳しく解説してます。気になる方はぜひ参考にしてみてください。 電子ピアノを安く手に入れたいと考える人にとって、中古品は魅力的な選択肢です。しかし、どこで買えば安心なのか、失敗しないためのポイントはどこか迷うことも多いはず。 この記事では、中古電子ピアノのメリット ... 続きを見る
中古の電子ピアノはどこで購入したら良い?買う時のポイント4つも解説
電子ピアノのおすすめ機能
ヘッドホン練習や自動伴奏など電子ピアノならではの便利機能は多彩ですが、上達を左右するのは、鍵盤タッチ、音源、練習サポート、拡張性の4系統です。これらをチェックすれば、演奏表現だけでなく練習効率や将来の活用範囲まで見通せる一台を選べます。
ここからは具体的に注目すべき4つの機能をわかりやすく解説します。
- 本物に近い鍵盤タッチ
- 音源の種類と質に注目
- 録音・メトロノーム機能
- Bluetooth・アプリ連携
本物に近い鍵盤タッチ
まずは最も体感差が大きい鍵盤タッチから確認しましょう。 象牙調素材や木製ハイブリッド鍵盤、3センサー方式などを備えたモデルは、指先に伝わる重みと戻りの速さがアコースティックピアノに近く、弱打から強打まで自然なダイナミクスが付けられます。
段階的なハンマーアクション(低音ほど重く高音ほど軽い)を採用しているかも重要ポイント。自宅では軽めに設定し、曲や練習段階に応じてタッチ感をカスタマイズできる機種なら、長時間でも疲れにくいうえに実ピアノへの移行もスムーズです。
音源の種類と質に注目
次に、その音を生む「音源方式」を見ていきます。 高級機は多層サンプリングと物理モデリングを組み合わせ、弦共鳴やダンパー音まで再現。これによりppの繊細な余韻からffの迫力ある響きまで、ホールで弾く実感を味わえます。
また、グランドピアノ/アップライト/エレピなど複数の鍵盤楽器音色を搭載していると、ジャンルに合わせて表現の幅が拡大。メモリー容量が大きいほどサンプリング波形が長く、同音連打でも途切れず自然に聞こえるので、演奏動画や配信のクオリティも一段アップします。
録音・メトロノーム機能
練習効率を高めるうえで欠かせないのが内蔵レッスン機能です。 ワンタッチ録音があれば自分の演奏を客観的に聴き返し、タイム感やペダルワークを細かく修正可能。マルチトラック録音対応モデルなら、片手ずつ録音して重ねる「重ね録り練習」やオリジナル曲のデモ制作もはかどります。
さらにメトロノームに加え、左右パートを個別再生できるレッスン曲機能や自動伴奏スタイルを活用すれば、リズムキープと表現力を同時に鍛えられる点が魅力。上達速度を一気に引き上げてくれます。
Bluetooth・アプリ連携
最後は電子ピアノならではの拡張性をチェックしましょう。 Bluetooth MIDI/Audio対応機なら、スマホやタブレットとワイヤレス接続して楽譜閲覧アプリで自動譜めくり、DAWでの打ち込み、ストリーミング伴奏の再生がケーブル不要で行えます。
各社公式アプリを使えば、音色変更やタッチ調整を画面上で直感操作でき、初心者でも設定迷子になりにくいのが利点。将来オンラインレッスンや動画配信に挑戦したい人にとっても、録音データを即共有できる連携機能は大きな武器になります。
電子ピアノの人気メーカー
国内外の電子ピアノ市場では、長年にわたって品質と技術革新をリードしてきた大手メーカーが信頼を集めています。ブランドごとに音源方式や鍵盤アクション、付属アプリの使い勝手が異なるため、どのメーカーが自分の弾き方や練習環境に合うかを知ることが失敗しない選び方の第一歩です。
ここでは特に人気の高い3社、YAMAHA、Roland、CASIOの特徴をやさしく解説します。
- YAMAHA:音とタッチに定評
- Roland:本物に近い鍵盤感覚
- CASIO:初心者にも使いやすい
YAMAHA:音とタッチに定評
コンサートグランドCFXを多層サンプリングした音源と、低域重め・高域軽めのグレードハンマー3X(GH3X)鍵盤を搭載し、本物のタッチと響きを高いレベルで再現。
専用アプリ「Smart Pianist」で音色変更や録音が直感的に行え、Bluetooth対応機なら楽譜自動譜めくりにも対応します。国内サポート体制が充実しており、初心者から上級者まで「安心して長く使える一台」を求める人に最適です。
Roland:本物に近い鍵盤感覚
Rolandは「PHA-50」木材×樹脂ハイブリッド鍵盤により、指先へ自然な重みと吸い付くような表面質感を提供。音源はサンプリングではなく独自の「PureAcousticモデリング」を採用し、弦同士の共鳴や音板振動までリアルタイム生成するため、連打やグリッサンドでも音の濁りが出にくいのが特長です。
Bluetoothオーディオでスマホの曲を本体スピーカーから再生できるので、弾き語りやセッション練習にも便利。演奏表現にこだわりたい中〜上級者から高い支持を得ています。
CASIO:初心者にも使いやすい
CASIOは「スケーリングハンマーアクション鍵盤」により上位機並みの段階的ウェイトを保ちつつ、軽量ボディで設置や持ち運びが簡単。独自の「AiR音源」は空間シミュレーション機能を備え、ヘッドホン練習でもホールのような奥行きを感じられます。
付属アプリ「CASIO MUSIC SPACE」では自動伴奏や譜めくり、ゲーム感覚の練習コンテンツを無料提供。ペダル・スタンド付きスターターセットも豊富で、コスパ重視の初心者や子どもの初めての一台に最適です。
本物のタッチに近い88鍵盤電子ピアノおすすめ10選
ここでは、本物のタッチに近い88鍵盤電子ピアノおすすめ10選を紹介します。
KAWAI CA401 R プレミアムローズウッド調仕上げ カワイ CAシリーズ
木製「グランド・フィール・コンパクト」鍵盤を採用し、低音は重く高音は軽い自然なウェイトを再現。旗艦モデルと同じSK-EXコンサートグランド音源を搭載し、弦共鳴やキーオフノイズまで細かくシミュレートします。ヘッドホン練習用のスペイシャルヘッドホン音響やBluetooth MIDIも標準装備で、自宅練習からオンラインレッスンまで幅広く活躍。
カシオ(CASIO)電子ピアノ Privia PX-S1100RD
世界最薄クラスのスリムボディにデジタルの最新技術を凝縮。階段式ハンマーアクション鍵盤は滑りにくい象牙調仕上げで、タッチレスポンスも3センサー方式。独自のマルチディメンショナルAiR音源はダンパー共鳴やハンマーノイズまで再現し、Bluetooth Audioでスマホの伴奏再生も可能。赤い限定色が部屋のアクセントにもなります。
CASIO GP-510BP ブラックポリッシュ仕上げ 電子ピアノ
ベヒシュタイン共同開発の「ナチュラルグランドハイブリッド」鍵盤は本物のシロップ加工木材とハンマー機構を採用し、押鍵・離鍵の重量感がグランドピアノそのもの。AiR Grand音源によりベルリン、ハンブルク、ウィーンの3大ピアノ音色を切替え可能。リニアハーフペダルと多彩なホールシミュレーションでコンクール練習にも十分対応します。
CASIO PX-S7000 HM 電子ピアノ 88鍵盤
北欧家具を思わせる木目調スタンド一体型デザインが特徴。新開発スマートハイブリッドハンマー鍵盤は樹脂×木材の複合構造で耐久性と手触りを両立。256音同時発音のマルチディメンショナルAiR音源と4スピーカーの「サウンドリフレクター」により広がりのある音場を実現します。ワイヤレスペダルや専用アプリ連携で設定も直感操作。
Roland ローランド/DP603 CBS
奥行きわずか約30cmのスタイリッシュな薄型キャビネットに、木材×樹脂ハイブリッドのPHA-50鍵盤を搭載。SuperNATURALモデリング音源が連打やトリルでもにごりのない自然な発音を可能にします。独自の「ヘッドホン3Dアンビエンス」で夜間練習も快適。Bluetooth Audio/MIDIで楽譜アプリ自動譜めくりやDTM入力もスマートにこなせます。
YAMAHA CLP-845B ブラックウッド調
木製グランドタッチ鍵盤に加え、旗艦CFXとベーゼンドルファーのサンプリング音源を内蔵。バイノーラルサンプリングによりヘッドホンでもホールの定位感を再現します。75W×2の大出力アンプが低音をしっかり響かせ、グランドピアノ同等のハーフペダル制御で微妙な響きも思いのまま。録音機能やSmart Pianistアプリ連携で練習効率も抜群。
Roland ローランド/FP-10-BK【純正ケースセット!】
エントリーながらPHA-4スタンダード鍵盤で本格的なエスケープメントと象牙調表面を実現。SuperNATURAL音源と6W×2スピーカーでクリアな音質を確保し、Bluetooth MIDIでスマホと接続すれば無料アプリ「Piano Every Day」で練習記録も自動管理。約12kgと軽量で、付属ケースに入れてスタジオや学校への持ち運びもラクラクです。
YAMAHA ヤマハ Clavinova クラビノーバ/CLP-735
グランドタッチS鍵盤が繊細なタッチ変化に追従し、CFXとベーゼンドルファーの二大ピアノ音をサンプリングで収録。バーチャルレゾナンスモデリングが弦や響板の共鳴をリアルタイム計算し、和音が濁らず自然に広がります。練習曲303曲内蔵、USB録音にも対応し、初心者から中級者の長期使用に適したスタンダードモデル。
カワイ KAWAI 電子ピアノ CA901
最上位「グランド・フィールⅢ」木製鍵盤と新世代SK-EXレンダリング音源を搭載。オンキヨー共同開発のスピーカーシステムは高域ツイーターと下向きウーファーを組み合わせ、グランドピアノの立体的な響きを再現します。タッチカーブや響板モードをアプリで細かく調整できるほか、USBオーディオ録音・再生で演奏チェックも簡単。
Roland LX705 LAS 電子ピアノ
クラシックキャビネットに独自PureAcousticモデリング音源と対向配置4スピーカーを備え、部屋全体に広がる自然な響きを実現。PHA-50鍵盤は木材の質感とメンテナンスフリーを両立し、弱音ペダルにもハーフ検出を搭載。Bluetooth Audioと専用アプリ「Piano Designer」で音色や鍵盤応答を細かくカスタマイズでき、上級者の表現要求にも応えます。
まとめ
88鍵盤電子ピアノは、アコースティックに近いタッチと広い音域で本格的な演奏力を育てつつ、音量調整やヘッドホン練習など電子ならではの便利さも享受できます。購入時は 、鍵盤アクションと音源の質、練習サポート機能、将来まで見据えた拡張性の3点を軸に比較することが失敗しないコツ。
YAMAHA・Roland・CASIOといった実績あるメーカーの中でも、自分の目的と予算に合うモデルを選び、必ず試奏してタッチと音を確認しましょう。今回紹介した10機種を参考に、あなたにぴったりの一台を見つけて“本物の演奏体験”を自宅で存分に味わってください。