人生最高の晴れ舞台である結婚式は、一瞬の表情や感動の涙を逃さず収めたいもの。しかし式場ではマナーを守りながら機材を選ぶことが大切です。本記事では、撮影時の礼儀やポジション取りのコツに加え、70-200mmを中心としたおすすめレンズ5本を厳選して紹介します。
これを読めば、初めての撮影でも失敗なく最高の一枚を残せます。予算やマウントの違いによる選び方も丁寧に解説するので、初心者から経験者まで必見です。
結婚式で写真撮影をする時のマナーとは?
結婚式は新郎新婦とゲスト全員が感動を共有するフォーマルな場です。写真を撮る側も祝宴の一員として、式の進行やほかの参列者への心配りを欠かさないことが大前提。とくに大型の一眼レフやストロボは視線を集めやすいため、事前の許可と慎重な所作が必要になります。
ここでは、一眼レフ持込マナー、親族撮影の礼儀、席次とフラッシュ、プロ撮影妨げ禁止の4項目に分け、トラブルを避けつつ美しい写真を残すためのポイントを詳しく解説します。
- 一眼レフ持込マナー
- 親族撮影の礼儀
- 席次とフラッシュ
- プロ撮影妨げ禁止
一眼レフ持込マナー
大型の一眼レフを式場へ持ち込む際は、まず招待状や受付で「個人撮影可」の確認を取りましょう。許可後は黒など落ち着いた色のストラップを装着し、立ち位置が目立たぬよう身体を小さく構えて撮影します。
シャッター音はサイレントモードに設定し、ライブビューの輝度も控えめに。レンズ交換やバッテリー交換は挙式前後のロビーで行い、メディアや機材を床に直置きしないなど細部の所作まで気を配れば、格式ある式場でも安心して撮影できます。
親族撮影の礼儀
親族は新郎新婦との距離が近いぶん、参列者の手本となる振る舞いが求められます。長時間立ち歩くより、ハイライトを確実に数枚押さえて席へ戻る方がスマート。撮影時は周囲に「失礼します」と小声で声掛けし、膝をついて低い位置から狙うと背後の視界を塞ぎません。
終了後は「おめでとうございます」と一言添えて場の空気を壊さず、撮影スペースを譲る配慮を忘れないことが親族としての礼儀です。
席次とフラッシュ
座席の位置取りとフラッシュの扱いは式の雰囲気を左右します。前方席でも腕を高く掲げるのは厳禁で、座ったまま被写体をファインダー中央に収める技術が不可欠です。どうしても立ち上がる場合は、司会あいさつなど注目が舞台へ集中している瞬間を狙い数秒以内で戻りましょう。
暗いチャペルでのフラッシュ連発は雰囲気を壊すだけでなく、神父や司会者の視界を妨げる恐れもあります。ISO感度や開放F値で明るさを補い、ストロボは決定的場面のワンショットに絞るのが好印象です。
プロ撮影妨げ禁止
式場専属や依頼済みのプロカメラマンは、新郎新婦が高額を支払って頼んだ公式記録係です。立ち位置やレンズの向きが被ると納品データにゲストのカメラが写り込み、クレームの原因になりがち。プロが構えたら一歩退き、同じシーンはズームで抜くか構図を変えて差別化します。
フラワーシャワーやケーキ入刀でスタッフが移動する際は通路を空け、ケーブルや機材に触れないよう立ち止まって先導を見守るなど、常に「裏方を優先する」意識が上級マナーです。
結婚式で写真撮影をする時のポイント
厳かなセレモニーを美しく残すには、機材スペックだけでなく立ち回りや設定の細部が写りに直結します。ここでは、どこに立つか、どのレンズで狙うか、暗所での明るさ確保、静音での配慮という4つの観点から、失敗しない撮影テクニックを紹介します。
- ポジション取りの極意
- 70-200望遠で表情を狙う
- F4開放で明るさを確保
- 静音撮影で式を妨げない
ポジション取りの極意
花嫁の入場から退場まで見逃せない場面が続くため、常に最短距離で背景が抜ける場所を意識して動きます。席に着くときは背を丸めて視界を妨げず、立ち上がる際は司会者のアナウンス中など注目が前方に集まる瞬間に素早く移動。
誓約書へのサインは真横、指輪交換は斜め後ろから狙うと手元と表情を同時に収められます。事前に式次第をチェックし、移動経路と退避スペースを下見しておくと慌てずにシャッターチャンスを逃しません。
70-200望遠で表情を狙う
披露宴会場はゲスト席との距離が取れないことが多く、望遠ズームが大活躍。70-200mmなら挙式会場のバージンロード端や披露宴のテーブル間からでも、新郎新婦の目線や涙を大きく切り取れます。
APS-C機なら105-300mm相当になり寄り過ぎるため、都度焦点距離を調整しつつ中望遠域(100-135mm)を多用すると自然なパースが得られます。手ブレを防ぐため最低でも1/250秒以上をキープし、必要に応じてISO感度を引き上げましょう。
F4開放で明るさを確保
チャペルやホテル宴会場は思いのほか暗く、F4でも開放値を使いきるケースが頻発します。F4レンズはF2.8より軽量で価格も抑えめながら、最新モデルは高感度性能が向上しているので、ISO1600-3200程度ならノイズも許容範囲。
被写界深度が浅くなり過ぎないためパーティショットでも複数人の顔にピントを合わせやすく、背景のキャンドルやライトもほどよくぼけます。逆光気味の祭壇では露出補正+1.0前後で白ドレスのハイライト飛びを抑えつつ質感を残しましょう。
静音撮影で式を妨げない
シャッター音は感動の静寂を破る最大の敵。ミラーレスなら電子シャッター+連写低速設定、デジタル一眼ならサイレントモードでミラー動作を制限し、必要最小限の枚数で確実に押さえます。連写は3コマ程度に留めればバッファ詰まりを防ぎ、写り込みのフラッシュもカット可能。
撮影後にすぐ背面液晶を確認すると光が漏れて目立つため、ヒストグラムは会場外でチェックするのが紳士的です。静音設定と最小限の動作で、プロカメラマンやほかのゲストへの配慮を徹底しましょう。
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結婚式撮影用レンズの選び方
屋内の薄暗いチャペルから広い披露宴会場まで、結婚式は撮影環境が刻々と変わります。失敗を防ぐには、どの焦点距離を持つか、どこまで明るさを稼げるか、手ブレやピントずれをどう抑えるか、自分のカメラに合うマウントかの4点を軸にレンズを絞り込むのが近道です。以下ではそれぞれの着眼点を具体的に解説します。
- 焦点距離は70-200mm
- F2.8とF4の明るさ
- 手ブレ補正とAF速度
- Canon・Sonyマウント
焦点距離は70-200mm
70-200mmは、式場の後方から指輪交換の手元までアップで切り取れる万能レンジです。広角側70mmは集合写真やバージンロード全体を収めやすく、200mm側は祭壇の表情を邪魔せずに大きく引き寄せられます。
APS-C機なら約105-300mm相当に伸びるため、席を離れにくい披露宴でもテーブル越しにドラマチックな表情を狙えます。1本で寄り引きを完結させられるため、レンズ交換の手間を減らし撮影チャンスを逃しません。
F2.8とF4の明るさ
暗いチャペルではF2.8の方がシャッタースピードを1段速く設定でき、低ISOでノイズも軽減できます。背景のろうそくやライトを大きくぼかしたい場合もF2.8が有利。ただし重量はF4の約1.5倍、価格も倍近くになることが多い点は要注意です。
F4でも最近の高感度センサーならISO1600-3200で十分実用域。被写界深度も稼げるため、披露宴で複数人を同時に撮るシーンではF4が扱いやすいという利点もあります。予算と体力、撮影スタイルで選び分けましょう。
手ブレ補正とAF速度
式場は三脚禁止のケースが多く、手ブレ補正(VR・IS・OSSなど)があると1/60秒前後まで安全にシャッターを落とせます。とくにキャンドルサービスなど薄暗い演出照明では強い味方。また、誓約書サインなど一瞬で終わる動作を確実に捉えるには、リニアモーターやデュアルSTMなど高速AF搭載モデルが有利です。
フォーカスリミッターやカスタムボタン付きなら、瞬時に無限遠と近接を切り替えられ、ミスショットを大幅に減らせます。
Canon・Sonyマウント
Canonユーザーは最新のRFマウントか、豊富な中古が手に入りやすいEFマウント+純正アダプターの二択。純正レンズは色味とAF制御が安定し、顔検出AFとも相性良好です。
一方SonyのEマウントはサードパーティ製が充実し、軽量なF2.8通しズームも多いのが魅力。ボディ側の手ブレ補正との協調動作で実質5.5〜7段分の補正効果が狙えます。将来のシステム拡張やレンタルのしやすさも視野に入れ、愛用メーカーとレンズ資産のバランスを考えて選定しましょう。
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結婚式の撮影におすすめのレンズ人気5選
ここでは、結婚式の撮影におすすめのレンズ人気5選を紹介します。
シグマ(Sigma) レンズ 24-70mm F2.8 DG OS HSM Canon
24-70 mm F2.8 DG OS HSM は、開放 F2.8 通しで暗いチャペルでも明るさを確保できる標準ズーム。最短撮影距離 37 cm でブーケや指輪のアップも得意、4段分の手ブレ補正 OS と高速 HSM AF が決定的瞬間を逃しません。防塵防滴設計で屋外挙式も安心。SLD ガラスと非球面レンズが周辺まで高解像度を実現し、9枚羽根の円形絞りがキャンドルを美しい玉ボケに。PhotoPro によるファーム更新で常に最新性能を維持でき、約1 020 g でもバランスが良く手持ち撮影が快適です。
SONY 望遠ズームレンズ FE 70-200mm F4 G OSS
FE 70-200 mm F4 G OSS は約840 gと軽量で、長時間の披露宴でも疲れにくい望遠ズーム。G レンズならではの高コントラストと柔らかなボケが純白ドレスを立体的に描写します。5段分の光学手ブレ補正とボディ内補正の協調で 1/30 秒付近も安心。リニアモーター AF が指輪交換の一瞬を正確に捕捉し、フォーカスホールドボタンで操作性も抜群。最短 1 m でブーケトスの迫力も逃さず、防塵防滴・ズームロック・脱着式三脚座付きで取り回し優秀、挙式必携の一本です。
キヤノン RFレンズ RF70-200mm F2.8 L IS USM
RF70-200 mm F2.8 L IS USM は従来比 57 mm 短く、1 070 g と大幅軽量化した大三元望遠。開放 F2.8 の大きなボケでバージンロードのライトを幻想的に描写し、5段分の協調 IS とデュアルナノ USM が手ブレとピント外れを同時に排除します。最近接 0.7 m で指輪もクローズアップ、防塵防滴+フッ素コートでケーキ入刀後も安心。ズーム全域で 4K 動画にも耐える解像力、ワンタッチ着脱三脚座とカスタムリングで即時設定変更が可能。EOS R ユーザーの挙式撮影を強力に支える万能レンズです。
タムロン 17-50mm F/4 Di III VXD ソニーE用 (Model A068)
タムロン 17-50 mm F/4 Di III VXD は希少な超広角 17 mm から標準 50 mm までを1本でカバー。装飾全景から集合写真、ケーキ入刀の手元までシームレスに対応します。開放 F4 固定で露出設計がシンプル、最短 19 cm(広角端)でテーブル小物も大きく撮影可。VXD リニアモーターは高速・静音で動画にも最適、長さ 5.9 cm・防滴構造の携帯性でバッグの隙間に収まり、逆光にも強いコーティングがチャペルのステンドグラスを鮮やかに再現。USB-C ドックでファーム更新も可能です。
28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
28-200 mm F/2.8-5.6 Di III RXD は旅レンズの機動力と明るさを両立したオールインワン。広角 28 mm でチャペル全景、望遠 200 mm で新婦の涙を切り取り、レンズ交換なしで式場シーンに対応します。広角端 F2.8 が薄暗いバージンロードで活躍し、ズーム倍率 3.6 倍でも画質良好。575 g の軽量ボディで移動も楽々。静粛な RXD モーターが厳粛な場面でも気兼ねなく使え、最短 0.19 m で装花や料理の描写も得意。防滴シールとフッ素コートで汚れに強く、荷物を減らしたいビギナーにも最適です。
まとめ
結婚式写真を美しく残すには、マナーを守った立ち回りと70-200mmクラスの明るいズームレンズが鍵になります。本記事で解説した持込時の礼儀やポジション取り、F4開放設定、静音撮影のコツを押さえ、焦点距離・明るさ・手ブレ補正・マウント互換を基準にレンズを選べば、プロ顔負けの一枚が狙えます。
おすすめ5選を参考に、自分の機材とスタイルにベストマッチな一本を携えて、人生最高の瞬間を確実に収めましょう。これで準備は万全です。