動物たちの愛らしい表情や迫力ある瞬間を残すには、被写体に合わせたカメラ選びが欠かせません。本記事では、ペット・野生動物・動物園・水族館などシーン別の撮影ポイントと、初心者でも扱いやすいおすすめカメラ10機種を紹介します。
高速AFや望遠ズームなど注目すべき機能もやさしく解説するので、これから動物撮影を始めたい方はぜひ参考にしてください。撮影の悩みを解消し、最高の一枚を狙いましょう。さっそく準備を整えて出かけてみませんか?
動物撮影に向いているカメラの種類
動物を撮るシーンは、ペットの室内撮影から野生のサファリ、ガラス越しの動物園、水族館の薄暗い水槽まで多岐にわたります。それぞれ被写体の動き方や光量、撮影距離が大きく異なるため、最適なカメラの条件も変わります。
以下ではシーン別に注目したい機能とカメラタイプを詳しく見ていきましょう。
- ペット撮影の場合
- 野生動物撮影の場合
- 動物園での撮影の場合
- 水族館で撮影する場合
ペット撮影の場合
室内で元気に動き回る犬や猫を撮るなら、被写体認識+瞳AFが高速に作動するミラーレス一眼が最適です。ISO感度6400でもノイズを抑えられる裏面照射型CMOSや、F1.8前後の明るい単焦点レンズがあれば、自然光だけでもシャッタースピード1/500秒以上を確保しやすくなります。
秒間10コマ以上の連写性能があると、ジャンプやあくびなど一瞬の仕草を逃しません。さらに5軸手ブレ補正と軽量ボディは、片手でおもちゃを振りながらの撮影でも安定感を発揮し、初心者でも扱いやすいのが魅力です。
野生動物撮影の場合
サファリやバードウォッチングなど遠距離から狙う野生動物は、600mm以上の超望遠ズームと堅牢な防塵防滴ボディが必須。AI被写体認識によるトラッキングAFと、秒20コマを超える高速連写があれば、予測不能な動きにも対応できます。
APS-C機なら画角が狭まり実質的に焦点距離を稼げるため、レンズの軽量化にも寄与。さらにボディ内手ブレ補正とレンズ側手ブレ補正を協調させるデュアルISは、三脚が使えない場面での歩留まりを高めます。
RAWで14bit記録できる機種ならハイライト・シャドーの復元耐性も高く、過酷な光環境下でも細部を残せます。
動物園での撮影の場合
柵やガラス越しに被写体を狙う動物園では、望遠端300〜400mm程度のズームレンズと最短撮影距離1.2m以下のレンズが便利です。AFエリアを一点に絞り、開放F値を大きくして背景と手前の柵をぼかすことで、檻を目立たせずに動物を際立たせられます。
APS-Cやマイクロフォーサーズは被写界深度を稼ぎやすく、ピント外れを防止。ガラスの反射対策としてはEVF付きカメラで顔を覆い、偏光フィルターを装着できるレンズ径も確認しましょう。
静音シャッター機能がある機種なら動物の警戒心を刺激せず、自然な姿を収められます。
水族館で撮影する場合
水族館は暗所かつブルー系の光源が多いため、裏面照射フルサイズセンサーと高感度耐性の優れたカメラが有利です。レンズはF1.4〜F2.8の明るい広角域が効果的で、手ブレ補正と相まってISO感度をできるだけ抑えられます。
またガラス面との距離が近いので、最短撮影距離20cm前後のマクロ寄りレンズも役立ちます。反射防止にはレンズフードを外し、ガラスに平行に密着させると光の写り込みを軽減可能。
ホワイトバランスは「水中」や「蛍光灯」を試し、RAW撮影で後補正も想定しておくと色かぶりを防げます。30fps以上の動画撮影に対応したモデルなら、クラゲやイルカの優雅な動きを滑らかに記録できます。
また、下記では流し撮りとは?について詳しく解説してます。気になる方はぜひ参考にしてみてください。 動いている車や電車などを背景を流して写す流し撮りは、スピード感や迫力を演出できる撮影テクニックです。一見難しそうに見えますが、ポイントを押さえれば初心者でも挑戦できます。 この記事では、流し撮りの意味 ... 続きを見る
流し撮りとは?カメラの設定方法や流し撮りにおすすめのカメラ5選も紹介
動物撮影用カメラの選び方
動物撮影では、速さ、ブレ補正、携帯性と耐候性が結果を大きく左右します。ここでは特に押さえておきたい3つの機能を順に見ていきましょう。
- 高速AFと連写性能
- 望遠ズームと手ブレ
- 軽量ボディと防滴
高速AFと連写性能
走り回る犬や跳ねる猫、翼を広げて飛び立つ鳥など動物は一瞬でフレームアウトします。その刹那を確実に残すには、被写体検出・瞳AFを備えた高速オートフォーカスと毎秒10〜30コマ以上の連写が必須条件。AF追従連写時でもブラックアウトしにくい電子シャッター搭載機なら視界を切らさず動きを追い続けられます。
さらにRAW連写を3秒以上持続できる大容量バッファや、サーボAFで被写体を追従し続けるアルゴリズムがあると、予測不能な動きにも余裕を持って対応でき、決定的瞬間を逃しません。
望遠ズームと手ブレ
遠くのシマウマや檻の奥にいるトラを大きく写すには、35mm換算300〜600mm以上の望遠ズームが不可欠ですが、焦点距離が長いほどわずかな揺れが画質に直結します。
ボディ内5軸手ブレ補正とレンズ側光学手ブレ補正を協調させるデュアルISを備えたカメラなら、シャッタースピード1/焦点距離の4段分以上を稼げ、薄暗い早朝や夕暮れでもISOを上げ過ぎず撮影可能。
動物園ではフェンスを避けるため片手持ちになる場面も多いため、手ブレ補正の効きは仕上がりを大きく左右します。三脚が使えない場所でも安定した画を得られるので、望遠撮影において最重要機能と言えます。
軽量ボディと防滴
撮影地まで長時間歩くサファリや山道、水しぶきの上がる水辺などでは、荷物の軽さと機材の耐候性が快適さと安全の鍵になります。1kgを切る軽量ボディにマグネシウム合金フレームを採用し、バッテリー込みでも小型ズームと合わせて2kg以内に収まる構成なら、肩や首の負担を大幅に軽減。
加えて各部シーリングによる防塵防滴設計や−10℃動作保証があれば、突然の雨や朝露、砂埃から内部機構を守り、レンズ交換時のトラブルも防ぎます。軽さと堅牢さを兼ね備えたカメラは、撮影意欲を削がずに動物を追い続けられるため、結果としてシャッターチャンスの増加にも直結します。
また、下記では600mmの超望遠レンズについて詳しく解説してます。気になる方はぜひ参考にしてみてください。 600mmの超望遠レンズがあれば、遠くの野鳥や飛行機、スポーツ選手を目の前に引き寄せたように大きく撮影できます。約12倍ズームに相当し、月面のクレーターや山頂の登山者まで捉えられるほど。一方で価格や重 ... 続きを見る
600mmの超望遠レンズ10選!キャノン・ニコンなど人気メーカーも解説
カメラで動物撮影する時のポイント
動物を魅力的に写し取るには、被写体の動き方と撮影環境を理解し、カメラ設定を先読みすることが重要です。遮蔽物の多い動物園、光量が変わりやすい野外、室内で走り回るペットなど、シーンによって最適なシャッタースピードや手ブレ補正の有無が変わります。
ここでは主な3シーン別の具体的なコツを整理し、構図・光・ピントを自在にコントロールして安定したベストショットを得るための考え方を、初心者でも実践しやすい手順で紹介します。
- 動物園での撮影設定
- 野生動物は連写必須
- ペット動画は手ブレ補正
動物園での撮影設定
動物園では檻やガラス越しに被写体を捉えるため、背景処理と露出管理がポイントになります。F値を開放側にし、被写界深度を浅くして柵をぼかすと被写体を際立たせることができます。さらに一点AFで目にピントを合わせ、シャッタースピードは1/500秒以上を確保。
露出補正は被写体の毛色に合わせ+0.3〜+1段でディテールを白飛びさせないよう注意しましょう。ガラス面はレンズを密着させるか、偏光フィルターで写り込みを軽減。静音シャッターを使えば動物の警戒心も抑えられます。
野生動物は連写必須
野生動物は予測不能な動きをするため、高速連写とAF追従性能が写真の歩留まりを左右します。まずシャッタースピード優先モードで1/1000秒以上に設定し、ISOはオートで上限6400〜12800に。
電子シャッターと秒20コマ以上の連写で動きのピークを逃さず、AF-C+動物認識で瞳や頭部を追尾します。距離を稼ぐため600mm前後の望遠レンズを用い、手持ちが難しい場面では一脚併用が有効。RAW撮影で露出ミスに備え、ハイライト警告を確認しながら撮影すると安心です。
ペット動画は手ブレ補正
室内で元気に動くペットを動画で残す場合は、手ブレを最小限にして滑らかな映像に仕上げることが鍵になります。ボディ内5軸手ブレ補正とレンズ側手ブレ補正のダブル補正機能があるカメラなら、走り寄ってくる犬を追いながらも揺れを大幅に吸収。
フルHDなら120fps、4Kなら60fps撮影を選択しておくと、後からスローモーション編集も可能です。AFは瞳追尾をオンにし、被写界深度を深く取るためF4〜F5.6に絞るとピント抜けを防げます。
余裕があればジンバルを併用し、明るい単焦点で室内光でもノイズを抑えたクリアな映像を目指しましょう。
また、下記ではスマホ向け・カメラ向けジンバルについて詳しく解説してます。気になる方はぜひ参考にしてみてください。 スマホやカメラで動画撮影をすると、手ブレが気になってうまく撮れない…そんな悩みを解決してくれるのがジンバルです。ジンバルを使えば、動きながらの撮影でもなめらかでプロのような映像が撮れます。 本記事では ... 続きを見る
スマホ向け・カメラ向けジンバル人気おすすめ12選!選び方も解説
動物撮影におすすめのカメラ人気10選
ここでは、動物撮影におすすめのカメラ人気10選を紹介します。
キヤノン EOS Kiss M
APS-C 2410万画素センサーとDIGIC 8が生み出す高感度でもノイズの少ない描写に、デュアルピクセルCMOS AFの瞳検出が犬や猫の目を正確に追尾。最高約10コマ/秒連写でジャンプの瞬間も逃さず収めます。可動式タッチ液晶はローポジションや自撮りに便利で、4K/HD120p動画とWi-Fi/Bluetooth転送に対応。236万ドットEVFや約305枚のバッテリーライフ、EF-M/EFレンズ両対応など拡張性も高く、散歩のお供に最適な軽量ボディです。
Nikon ミラーレスカメラ 一眼 Z6II
有効2450万画素フルサイズとデュアルEXPEED 6が広いダイナミックレンジを実現。273点ハイブリッドAFは動物検出に対応し、最高14コマ/秒連写と5段分のボディ内手ブレ補正が走る馬もブレずに捉えます。防塵防滴マグネシウムボディはUSB給電に対応し、サファリの長時間撮影でも安心。CFexpress+SDのデュアルスロットや4K60p N-Log/HLG動画にも対応し、静音撮影モードとSnapBridgeで野鳥撮影とスマホ共有もスムーズです。
Canon (キャノン) ミラーレス一眼カメラ EOS R7
3250万画素APS-CセンサーながらISO 32000常用、Dual Pixel CMOS AF IIが動物や乗り物を瞬時に判別。メカ15コマ/秒・電子30コマ/秒連写でイルカの水しぶきも連続で切り取り、8段協調ISと防塵防滴ボディで手持ち望遠の歩留まり向上。RAW動画C-Log3や4K60p収録が可能でドキュメンタリーにも活躍します。236万ドットEVFはブラックアウトが少なく視界を保ち、マルチファンクションシューで高性能マイクやGPSも装着できます。
SONY(ソニー) APS-C ミラーレス一眼カメラ α6400 パワーズームレンズキット
24.2MP APS-CセンサーとBIONZ X、425点位相差AFが0.02秒で合焦。リアルタイムトラッキングと動物瞳AFが走る犬の横顔にもピントを維持し、11コマ/秒連写RAW+JPEGで動きを網羅。180°チルト液晶と堅牢ボディでローアングルも自在。4K30pは6K相当から全画素読み出し、HDR HLGにも対応。USB給電で長時間録画が途切れず、Eマウントの豊富な望遠レンズと組めば動物園からサファリまで一本化、Wi-Fi転送でSNSシェアも簡単です。
Canon ミラーレス一眼カメラ EOS R10 レンズキット
約2420万画素APS-CとDual Pixel CMOS AF IIがペットの目を高精度追従。メカ15コマ/秒・電子23コマ/秒連写に加え、プリ連写対応のRAWバーストモードで決定的瞬間を前後0.5秒さかのぼって保存できます。協調ISで最大7段分補正し望遠手持ちも安心。6Kオーバーサンプリング4K60pの高解像動画とHDR PQに対応し、448 gの軽量ボディは携行もラク。UHS-II対応で書き込み待ちが短く、ペットから飛翔する鳥まで幅広く活躍します。
GoPro公式ストア限定 GoPro HERO13 Black + 認定SDカード
手のひらサイズで5.3K60p/4K120p撮影が可能。HyperSmooth 6.0と360°Horizon Lockが背中視点の疾走シーンでもブレを排除します。新Enduroバッテリーで寒冷地でも録画時間が向上し、防水10 mボディは豪雨のサファリも安心。Ultra Wide Lens Mod装着時は177°の超広角で水族館の大水槽も一枚に収め、HLG HDRや自動ハイライト生成、Wi-Fi 6アップロードで現場から即シェア。アクションと動物撮影を両立する万能カムです。
パナソニック Vlog ミラーレス一眼カメラ ルミックス G100V
約412 gの軽量マイクロフォーサーズ機。20.3MPセンサーとV-Log Lで自然な階調を描写し、OZO Audioが被写体方向の音を追尾して収録。368万ドットEVFとフリップ液晶で構図自由度が高く、電子手ブレ補正併用の手持ち4K30p動画も滑らか。Vlogモードで被写体認識AFや色調整をワンタッチ起動し、USB充電と同梱グリップで散歩撮影も快適です。
Nikon ニコン ミラーレス一眼 Z30 16-50 VR
405 gと軽量なAPS-C機は209点ハイブリッドAFとワイドエリアAF(動物)で犬猫の瞳を正確に追尾。最高11コマ/秒連写とフルタイムAF動画で活発なペットも滑らかに記録します。電子VRと傾斜グリップが手持ち撮影を安定させ、4K30p全画素読み出しに対応。USB給電で長時間配信も可能です。縦動画にも対応するバリアングル液晶とSnapBridge連携、風切り音を抑える内蔵マイクでSNS投稿がはかどります。
OLYMPUS ミラーレス一眼カメラ OM-D E-M10 MarkIV
20MP Live MOSセンサーと5軸IBISが最大4.5段分揺れを吸収し、15fps連写と121点AFが素早い小動物を捉えます。小型ボディにバリアングル液晶と2.36MドットEVFを装備し、4K30p動画やライブコンポジットで夜行性動物の光跡も表現。約360枚の省電力設計、USB充電、アートフィルター16種とWi-Fi/Bluetooth共有で初心者でも映える写真が簡単。自動スマホ転送と豊富なレンズ群でステップアップも容易です。
SONY(ソニー) APS-C ミラーレス一眼カメラ α6700
26MP裏面照射APS-CセンサーとAIプロセッサーにより、759点AFは動物や鳥・昆虫まで識別。11コマ/秒連写と5.5段IBISで手持ち600 mm望遠も安定。6Kオーバーサンプリング4K60p/4K120p動画で猛禽類の飛翔も滑らかに記録します。493 gの軽量防塵防滴ボディと新設計グリップで長時間の野外撮影でも疲れにくく、USB-C 10 GbpsとWi-Fi 6で現場から高速転送。豊富なEマウント望遠レンズ資産を活かせる万能アクション機です。
まとめ
動物撮影は、被写体に合ったカメラ選びとシーン別の設定が結果を大きく左右します。本記事で紹介したカメラの種類・選び方・撮影ポイントを押さえ、最後におすすめ10機種を参考にすれば、ペットの愛らしい仕草から野生動物の迫力ある瞬間まで、誰でも高品質な一枚を狙えます。
あとは実践あるのみ。機材を携えてフィールドへ出かけ、あなたならではの生き生きとした動物写真をぜひ残してみてください。